概要
クライアントの社名変更に伴うサイトリニューアル対応。ドメイン変更、そして新ホームページはStudioで構築済みという前提のプロジェクトだった。
旧サイトはWordPressで、サブディレクトリ運用していたSEOメディアも、この機会にWordPressごと移行することになった。
当初の依頼は「SEOメディアの移行のみ」というシンプルなものだったが、ふたを開けてみると以下まで対応することになった。
- Studio公開設定
- サブドメイン設計
- DNS設計
- SSL設計
- Cloudflare導入
- URL正規化
- HTTPSリダイレクト
一番の山は、SSLだった。
サイト構成
移行前
| 項目 | 内容 |
|—|—|
| サーバー | へテムル |
| ドメイン | ムームードメイン |
| ホームページ | WordPress |
| SEOメディア | WordPress(サブディレクトリ) |
移行後
| 項目 | 内容 |
|—|—|
| ドメイン | ムームードメイン |
| DNS | Cloudflare |
| ホームページ | Studio(本ドメイン) |
| SEOメディア | WordPress(サブドメイン) |
課題
1. サブディレクトリ運用ができない
Studioを本ドメインで公開する構成にしたため、従来の「本ドメイン/メディア名」というサブディレクトリ構成がそもそも使えなくなった。SEOメディアはサブドメインに切り出すしかない。
2. 無料SSLが使えない
サブドメインに切り出したところで発覚したのがこれ。へテムルの無料SSLには「本ドメインが同一サーバーを向いていること」という適用条件があり、今回は本ドメインのDNSがStudio側を向いているため、この条件を満たせなかった。
つまり、サーバー側の設定が正しくても、本ドメインの向き先次第でサブドメインの無料SSLが取れなくなるということ。ここは事前にほぼ想定していなかった落とし穴だった。
3. URL正規化が未対応
Studio側で www あり・なしの統一がされておらず、これも合わせて手当てする必要があった。
対応内容
① 構成確認
サイト構成、サーバー・ドメイン・DNSの管理会社、SSLの提供元と適用条件を洗い出し。
② WordPress移行
- サブドメイン作成
- WordPress新規インストール
- All-in-One WP Migrationでバックアップ取得
- ローカル環境で復元確認
- URL・会社名・メール設定を変更
- 新環境へ復元
③ SSL問題対応
- 無料SSLが使えないことを確認した上で、以下を比較検討。
- へテムル有料SSL(クイック認証SSL)
- Cloudflare
- 手動SSL
- 最終的にCloudflareを採用。
④ Cloudflare導入
- アカウント作成
- DNS管理をCloudflareへ移行
- DNSレコードの整理
- Proxy設定
- SSLモードの検証
- HTTPS動作確認
⑤ SEO・公開設定
- www なしへ301リダイレクト
- HTTPSへのリダイレクト
- SiteURLの確認
- mixed content の確認
⑥ 公開確認
- dig確認
- SSL Labs確認
- 表示確認
- 公開確認
最終構成
- ドメイン管理:ムームードメイン
- DNS管理:Cloudflare
- ホームページ:Studio(本ドメイン)
- SEOメディア:WordPress(サブドメイン)
- ユーザー ⇔ Cloudflare:HTTPS
- Cloudflare ⇔ Studio:HTTPS
- Cloudflare ⇔ へテムル:HTTP(Flexible運用)
- www → 非wwwへ301リダイレクト
- HTTPSへ自動リダイレクト
SEOメディアは問題なく移行・公開完了。
なお、Cloudflareとへテムル間はSSL化されておらず、厳密には完全SSL(End to End)ではない。ただし今回は一般的なSEOメディア・WordPress・記事閲覧・問い合わせフォーム程度の構成だったため、リスクを説明した上で現状運用とする判断をした。
また、へテムルの有料SSL(クイック認証SSL)はStudio側との構成上不要になったため、更新しない方向で整理した。
今回の学び
WordPress移行案件でも、公開構成(本ドメイン/サブドメイン/サブディレクトリ)次第でDNS・SSLまで影響が及ぶことがある
StudioとWordPressが混在する構成では、最初に「公開構成をどうするか」を決めることが全ての前提になる
無料SSLの可否は、サーバー単体の性能ではなく「ドメインとサーバーの向き先の組み合わせ」で決まることがある
CloudflareはSSL対応だけでなく、DNS管理を同時に整理できるツールとしても機能する
公開前には SSL・リダイレクト・DNS・mixed content まで一通り確認する
次回、同種の案件で最初に確認すること
サイト構成
- 本ドメイン・サブドメイン・サブディレクトリのどれで運用するか
- ホームページとメディアをどこに配置するか
- Studio・WordPress・その他CMSの組み合わせ
サーバー・ドメイン
- サーバー会社
- ドメイン管理会社
- DNS管理会社
- SSL提供元
SSL
- 無料SSLの適用条件
- サブドメイン利用の可否
- Cloudflare利用予定の有無
- サーバー間のSSLが必要かどうか
SEO
- URL変更の有無
- 301リダイレクトの方法
- www の正規化
- HTTPSへのリダイレクト
- Search Console対応
DNS
- DNS切り替えのタイミング
- TTL
- Aレコード・CNAMEの構成
- Studio側の要求設定
- WordPress側の要求設定
公開前確認
- SSL
- リダイレクト
- mixed content
- 表示確認(PC/SP)
- DNS反映確認
- Search Console
- サイトマップ送信